「そろそろ矯正を始めてみたい」と思ったとき、多くの方がまず疑問に感じるのは「矯正って、相談したらすぐに始められるの?」という点です。
実際には、初診のカウンセリングを受けてからすぐに装置を装着できるわけではありません。
矯正治療は見た目の改善だけでなく、噛み合わせや口腔機能全体に関わる大きな治療になるため、準備や計画が不可欠です。
一般的には、初診から治療開始までに準備期間が必要とされています。
この記事では、なぜ矯正はすぐに始められないのか、その理由と治療開始までの流れ、注意すべきポイントを解説します。
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目次
実際の回答(医院の実例)
Q:「矯正はすぐに始められますか?」
A:「いいえ。カウンセリングから最短でも2ヶ月以降になります。口腔内の状況によってはそれ以上かかることもあります。」
なぜ矯正はすぐに始められないの?
矯正治療には事前の準備や確認が欠かせず、すぐに始められない理由がいくつか存在します。
その代表的なポイントを、順に見ていきましょう。
精密な診断と計画立案が必要だから
矯正がすぐに始められない理由の一つに、精密は診断と計画立案の必要性があげられます。矯正治療は単に「歯を動かす」だけではなく、顎や噛み合わせ、顔全体のバランスまで考慮した包括的な治療です。
そのため、治療を始める前に精密な検査と診断を行い、治療計画を立てる必要があるのです。
具体的には以下の検査で歯や顎の状態を詳しく確認します。
● セファロ分析(頭部X線規格写真の分析)
● 歯型模型の作成
● CT撮影
● 口腔内写真
歯の動き方や顎の成長具合は一人ひとり異なるため、画一的な治療ではなく、その人に合ったオーダーメイドの計画を作成する必要があります。
この工程があるからこそ、治療開始までに時間がかかるのです。
装置の準備期間が必要
矯正装置は患者ごとに異なり、準備にも時間を要します。
一般的なブラケット矯正でも、歯の状態に合わせてワイヤーやブラケットの調整が必要です。また、マウスピース型矯正(インビザラインなど)の場合は、採取した歯型データをもとにオーダーメイドで装置を製作します。
製作から医院に届くまで数週間かかることもあり、これもすぐに治療を始められない理由の一つになります。
虫歯や歯周病の治療が必要な場合もある
虫歯や歯周病の治療が必要な場合があることも、矯正をすぐに始められない理由の一つです。
矯正治療は、健康な口腔環境を前提に進める必要があります。
虫歯や歯周病がある状態で矯正を始めてしまうと、装置が邪魔をして治療が難しくなったり、症状が悪化したりする恐れがあるのです。そのため、矯正前に虫歯や歯周病の治療を済ませ、歯と歯ぐきの状態を整えてから装置を装着する流れになります。
治療開始までの流れ(一般的なスケジュール)
矯正治療は、初診からいきなり装置を装着するわけではありません。
カウンセリングから始まり、精密検査・治療計画の立案・装置の準備といったステップを一つずつ踏んでいく必要があります。
ここでは、実際に治療が始まるまでの一般的な流れを順を追って見ていきましょう。
ステップ1:カウンセリング(初診)
初診時のカウンセリングでは、まず患者様の悩みや希望を伺い、歯並びの状態を確認します。
そのうえで、考えられる治療方法についてわかりやすく説明します。この段階ではまだ本格的な治療は始まらず、あくまで相談の場と考えると安心です。
所要時間はおよそ30〜60分程度です。
ステップ2:精密検査
次に行うのが精密検査です。以下の検査で、矯正に必要な情報を細かく収集します。
● レントゲン撮影
● 口腔内スキャン
● 写真撮影
● 咬合分析
所要時間は約45分ほどで、ここで得られたデータが後の治療計画作成の基礎となるのです。
ステップ3:治療計画の説明・装置の選択
精密検査から1〜2週間ほどで結果が出揃い、検査に基づいた治療計画が提示されます。
この段階で、以下の具体的な内容を決定します。
● 装置の種類(ワイヤー表側矯正・裏側矯正(舌側矯正)・マウスピース型矯正など)
● 治療の進め方
● 費用
● 抜歯の有無
ここで提示された内容をもとに、実際に治療を始めるかどうかを判断する重要なステップとなります。
ステップ4:装置の準備と装着
装置が決まったら、準備に入ります。
マウスピース型矯正は製作期間が必要で、ワイヤー表側矯正や裏側矯正(舌側矯正)の装置でも、準備に数週間かかります。
こうした準備を経て、最短でも初診から約2ヶ月後に治療を始められることが多いです。
治療開始が遅れる主なケースとは?
矯正治療は、順調に進めば初診からおよそ2ヶ月後に装置を装着できるのが一般的です。
ただし、口腔内の状態や生活スケジュールによっては、それ以上に時間がかかることもあります。
ここでは、矯正の開始時期が遅れやすい代表的なケースを見ていきましょう。
抜歯が必要な場合
歯並びや顎の大きさの関係で、矯正治療を行う際に抜歯が必要になることがあります。
抜歯は通常、装置を装着する7〜10日前に行いますが、歯の状態によってはさらに調整が必要となる場合もあります。
虫歯・歯周病が見つかった場合
矯正前に虫歯や歯周病が見つかれば、先に治療を行います。
治療が完了して口腔内が健康な状態になってからでないと、矯正は開始できません。口腔内の衛生状態を整えることは、矯正治療の成功に欠かせないポイントです。
忙しくて通院スケジュールが合わない場合
矯正治療は継続的な通院が必要です。
特に装置装着や調整の際には時間がかかるため、患者様の予定と医院の予約状況が合わないと矯正の開始時期が後ろ倒しになることもあります。矯正治療を予定通りに進めていくためには、スケジュールを確保できるかどうかも重要なポイントです。
できるだけ早く始めたい方へのアドバイス
矯正はすぐに始められない治療だからこそ、「少しでも早く治療に入りたい」と考える方も多いでしょう。
そのためには、事前の準備や心構えがとても大切です。
ここからは、スムーズに治療をスタートするためのポイントを紹介します。
歯科医院に早めに相談・予約を入れる
矯正をできるだけ早く始めるには、歯科医院に早めに相談・予約を入れることが大切です。
矯正治療はすぐに始められるものではないため、思い立ったらできるだけ早く初診の予約を取りましょう。特に春や秋は新生活やイベントの前後で予約が集中しやすく、希望通りの日程が取りにくくなる傾向があります。
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検査や抜歯などの必要処置は早めに進めておく
矯正を始める前に、小臼歯や親知らずの抜歯、虫歯治療が必要になることがあります。治療を他院で行う場合は紹介状やデータのやり取りが必要となり、処置に数週間かかることも珍しくありません。
矯正のスタートを遅らせないためにも、必要な処置は早めに依頼し、スケジュールを調整しておくことが大切です。
決断を急がず、内容をきちんと理解することも大切
「できるだけ早く始めたい」と思う一方で、治療内容や期間、費用についてしっかり理解してからスタートすることも大切です。
無理に早めても、納得できないまま治療に入ると不安や後悔につながる可能性があります。
落ち着いて判断することが、結果的に満足度の高い矯正治療へとつながります。
矯正は計画的に始めることが大切
矯正治療は初診からすぐに始められるわけではなく、精密な検査や治療計画、装置の準備、必要に応じた虫歯治療などを経て、ようやくスタートできる治療です。
目安としては初診から約2か月後、それ以上かかる場合もあります。そのため、矯正を検討している方はできるだけ早めに歯科医院に相談し、スケジュールを立てることが大切です。
矯正は数年単位で続く治療だからこそ、準備を整えて納得した上で始めることが、成功の近道といえるでしょう。
歯並びや噛み合わせが気になる方は、まずは気軽にカウンセリングを受けてみてください。
そこから理想の笑顔への第一歩が始まります。
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