矯正治療を始めると、多くの方が「装置を付けたら痛いのだろう」と想像しがちです。
ところが実際には、思っていたほど痛みを感じず、「これで本当に歯は動いているの?」と不安になる方も多いでしょう。
結論から言えば、「痛みがない=歯が動いていない」というわけではありません。
本記事では、歯が動く仕組みや痛みとの関係性を解説し、安心して治療を受けられるための知識をお伝えします。
目次
実際の質問と医院の回答(実例)
Q:「痛みがないので歯が動いているのか心配です。」
A:「痛みは個人差がありますので、痛みがなくても歯はきちんと動いています。安心してください。」
歯が動く仕組みと、なぜ“痛み”が出るのか
矯正治療中に「なぜ痛みが出るのか」「そもそも歯はどうやって動いているのか」と疑問に思う方は多いでしょう。痛みの有無を理解するには、まず歯が移動する仕組みを知ることが大切です。
ここでは歯の動くメカニズムと、痛みが生じる理由について解説します。
矯正治療で歯が動くメカニズム
矯正では、歯に力をかけることで歯根膜と周囲の骨が反応し、少しずつ歯が動きます。
動きはとても小さいため、1日の変化はほとんど目に見えません。そのため、痛みがなくても歯は確実に動いていることがあります。
痛みの感じ方には個人差があり、感じにくい場合もめずらしくありません。
痛みの原因は「圧力+炎症反応」
装置をつけた直後や調整後に痛みを感じるのは、歯にかかる圧力と、それによる炎症反応が原因です。
神経が刺激されてズーンとした違和感を感じることがありますが、痛みの有無は歯の動きを示すものではありません。痛みがなくても、歯はしっかり動いています。
痛みがないと歯が動いていない?その誤解について
矯正中に痛みがほとんどないと、「歯が動いていないのでは?」と不安になる方もいます。しかし、痛みの感じ方には個人差があり、装置の種類や歯の動き方によっても変わります。
ここからは、痛みが出にくい人の特徴や、矯正方法ごとの痛みの違いについて詳しく見ていきましょう。
痛みが出にくい人の特徴
矯正中の痛みは個人差が大きく、炎症反応の強さや神経の感受性によって感じ方が変わります。
炎症が小さく、神経が鈍感なタイプの人は、歯がしっかり動いていてもほとんど痛みを感じません。逆に痛みをあまり感じないことは、歯がスムーズに動いている証拠とも言えます。
そのため、痛みが少ないからといって治療が進んでいないわけではありません。
マウスピース矯正は痛みが少ないのが特徴
インビザラインなどのマウスピース型矯正では、歯に加わる力が強すぎず、適度な力を長時間かけ続ける仕組みになっています。
そのため、痛みを感じにくく、装着直後の違和感も軽めです。
それでも歯は計画通りに動いており、矯正効果に問題はありません。
表側・裏側矯正でも「痛みゼロ」は普通にある
ワイヤー矯正(表側・裏側)でも、毎回の調整で必ず痛みが出るわけではありません。
装置が歯に適応している場合や歯の動きがスムーズな場合、痛みをほとんど感じないことがあります。痛みがないからといって歯が動いていないわけではなく、治療は計画通り進んでいるので安心して良いでしょう。
歯が動いているか確認したいときは?
矯正中は痛みが少ないと「本当に歯が動いているのか」と不安になることもあります。実際には歯の移動はゆっくり進むため、日常生活では変化に気づきにくいこともあります。
ここからは歯の動きを確認する方法と、安心して治療を続けるためのポイントを紹介します。
見た目の変化はゆっくり現れる
矯正で歯が動くスピードはゆっくりで、平均すると1か月に約1mm前後の移動です。
そのため、毎日鏡で見ても変化を実感しにくく、「本当に動いているの?」と不安になる方もいます。
しかし、数か月単位で写真や歯型を比較すると、確実に変化していることが分かります。
特にスマートフォンで定期的に写真を撮っておくと、角度や距離が一定になり、少しずつ整っていく歯並びを確認しやすくなるでしょう。
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医院でのチェックが一番確実
歯の動きや装置の効果を正確に確認できるのは、やはり歯科医院での診察です。
診察のたびに、歯科医師は歯の位置やワイヤー・マウスピースの効き具合をチェックしており、必要に応じて調整も行います。
不安や疑問があれば、遠慮せずに質問することが大切です。自己判断で「痛みがないから動いていない」と思い込むよりも、専門家に確認してもらうことで、安心して治療を続けられます。
痛みが強い場合との違いも知っておこう
矯正中の痛みには個人差がありますが、ほとんど痛みを感じない場合もあれば、調整後に強い痛みを感じることもあります。
ここからは、通常の痛みと注意が必要な痛みの違いについて解説し、過度な痛みを感じたときの対応について紹介します。
痛みが強すぎる=問題ではないが注意が必要
矯正治療中に強い痛みを感じることがあります。
たとえば、ワイヤーやブラケットが歯や粘膜に強く当たった場合、口内炎や圧迫感によってズキズキした痛みが出ることがあります。
このような痛みは、治療が失敗しているわけではなく、装置が歯に適応している過程で起こることも珍しくありません。しかし、放置すると日常生活に支障が出る場合もあるため、痛みの原因を確認することが大切です。
過度な痛み・異常な違和感がある場合は早めに相談を
通常の痛みは数日で軽くなることが多いですが、長引いたり、強すぎると感じたりする場合は注意が必要です。
歯や歯周組織に過剰な負担がかかっている可能性があり、適切な調整が必要になることもあります。
痛みや違和感が続くときは、自己判断せずに早めに矯正医に相談しましょう。
適切な対応をすることで、治療の安全性と快適さを保つことができます。
痛みがない方が「良い矯正」?それとも…?
矯正中に「痛みが少ないほうが良い治療なのでは?」と思う方もいます。
ただし痛みがあるかどうかは、治療の効果や成功を示すものではありません。
痛みの有無は“矯正の成功不成功”とは関係ない
矯正治療の成功は、歯が計画通りに動き、最終的に正しい位置に整うかどうかで決まります。
痛みがあるかないかは個人差によるもので、治療の進行状況を示すものではありません。痛みが少ない場合でも、歯はしっかりと動いていることがほとんどです。
むしろ、痛みが少ない方は歯や歯周組織に過度な負担がかかっていない状態でスムーズに動いているケースもあります。
重要なのは、自己判断で「痛みがない=治療が効いていない」と考えず、医師の管理のもとで進行状況を把握することです。
定期的な診察で歯の動きや装置の効果を確認することで、安心して矯正を続けられます。
痛みがなくても歯はしっかり動いています
矯正中に痛みがほとんどない場合、「歯が動いていないのでは?」と不安になる方もいます。しかし、痛みの有無は個人差によるものであり、「痛みがある=歯が動いている」「痛みがない=動いていない」とは限りません。
歯は計画通りに微細な力で少しずつ動いており、痛みが少ない方ほどスムーズに動いているケースもあります。
歯の動きを確かめるには、写真や歯型の比較、さらに定期的な診察が一番確実です。自己判断せず、歯科医師にチェックしてもらうことで、安心して治療を続けられます。
当院では、患者さまお一人おひとりの歯の動きや痛みに合わせた、丁寧な診察を行っています。
少しでも不安があれば、どうぞお気軽にご相談ください。