ケア・歯磨き

矯正中に歯ぐきが腫れたら?原因と正しい対処法・受診の目安


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「矯正中に歯ぐきが腫れたとき、どうしたらいいですか?」というご相談をいただくことがあります。
矯正治療中は、装置や歯を動かす過程で一時的に歯ぐきが腫れたり、痛みを感じたりする可能性があります。
ただし、原因によって対処法が異なるため、自己判断せずに早めの相談が大切です。

そこで今回は、よくある原因とご自宅でできるケア、受診の目安をわかりやすく解説します。原因に対応している方法で慌てず、正しい対処をしていきましょう。

まずは結論:強い腫れや発熱は早めに受診を

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ズキズキとした痛みや頬の腫れ、発熱、膿が出る、出血が続くといった症状がある場合は、早めに歯科医院を受診しましょう。
軽い腫れでも2〜3日たっても良くならない場合は、炎症や感染が広がっている可能性があります。
自己判断で薬を飲んだり、装置を外したりすると、悪化することもあるため注意が必要です。

「しばらく様子を見る」よりも「早めに相談する」ことが、回復を早めるポイントです。

矯正中に歯ぐきが腫れやすい主な原因

磨き残しや歯肉炎

矯正装置のまわりにはプラーク(歯垢)がたまりやすく、歯ぐきの炎症を起こしやすくなります。特にブラケット周囲やワイヤーの下は、歯ブラシが届きにくいため注意が必要です。

装置による刺激

ワイヤーの先端やブラケットの角、マウスピースの縁などが歯ぐきや粘膜に触れて、炎症や腫れを引き起こすことがあります。

歯の動きによる一時的な反応

矯正中に歯が動く過程で、歯ぐきに軽い炎症反応が出ることがあります。軽度の腫れや違和感は一時的なものが多く、自然におさまることが多いでしょう。

口内炎や粘膜の傷

装置が頬や唇、歯ぐきに擦れて小さな傷ができると、そこから腫れや痛みが生じることがあります。

親知らず・むし歯・根の炎症

矯正とは関係なく、親知らずやむし歯、歯の根の炎症が原因で腫れる場合もあります。特に親知らずの周囲は炎症を起こしやすい部分です。

体調やホルモンバランスの変化

妊娠中はホルモンバランスも変化しやすく、体調の変化、服薬の影響などで歯ぐきが腫れやすくなることもあります。

自宅でできる“OK/NG”応急処置

マルバツ札を両手にもった女性の医師

【OKな対処法】

やさしく磨く

汚れが残っていると炎症の原因になるため、矯正専用ブラシやタフトブラシ、歯間ブラシを使って、無理のない力で丁寧に汚れを取り除きましょう。

ぬるま湯や低刺激の洗口液でうがい

刺激を与えずにお口を清潔に保つことで、炎症の悪化を予防します。

刺激物を控える

辛い・熱い・アルコールを含む飲食は避けると、回復が早まりやすくなります。また、免疫力を高めるため十分な睡眠と水分補給も心がけましょう。

矯正用ワックスを活用

装置が当たる部分に矯正用ワックスをつけると、傷や炎症の予防に役立ちます。

痛みが強いときは市販の鎮痛薬を一時的に使用

痛み止めは根本的な痛みの緩和にならない場合もあるため、服用後受診が必要です。
※持病がある方や妊娠中の方は、医師や薬剤師に相談をしましょう。

【NGな行為】

・刺激になるため、強くこすって磨く、長時間うがいを続けることは控えましょう。
自己判断で装置を外す・切る・削ることは絶対やめましょう。
・アルコール濃度の高い洗口液を頻繁に使うことも刺激が強い場合があるため、控えましょう。
・腫れた部分を温めすぎることは、腫れや痛みが強くなる可能性があります。

これらは炎症を悪化させたり、感染を広げたりする原因になる場合があります。

受診の目安

・すぐに受診を
頬まで腫れている、発熱や悪寒がある、ズキズキと痛む、膿や強い口臭が出る、口が開けにくい・飲み込みづらい場合、または転倒などでお口をぶつけた場合は、早めに歯科医院へご連絡ください。

・近日中に受診を
軽い腫れが2〜3日経っても引かない、ワイヤーの先端が刺さっている、マウスピースの縁が当たって傷が治らないときは、近日中の受診が必要です。

・経過を見ながら相談を
腫れたり落ち着いたりを繰り返す、体調によって変化するような場合は、定期検診の際に相談しましょう。ブラッシング方法の見直しや装置の微調整で改善するケースもあります。

歯科で行う検査と治療の流れ

来院時には、まず問診やお口の中の確認、必要に応じてレントゲン撮影を行い、歯ぐきの腫れの原因を調べます。歯肉炎やプラーク(歯垢)の付着が原因であれば、スケーリングで汚れを取り除きます。

装置のワイヤーやブラケットが当たっている場合は、位置や角度を調整したり、表面を滑らかに研磨したりして刺激を減らします。また、炎症や痛みが強いときは、必要に応じて抗生剤や鎮痛薬を処方します。

親知らず・むし歯・歯の根の炎症などが原因の場合は、それぞれに合った治療を行います。
さらに、再発を防ぐために、歯ブラシの選び方や磨き方、清掃のタイミングなど、自宅でできるケア方法についても丁寧にご説明します。

装置別の注意点とケア

ワイヤー・ブラケット矯正

ワイヤーの先が頬や歯ぐきに当たるときは、矯正用ワックスでカバーして保護しましょう。ブラケットのまわりは汚れが残りやすいため、タフトブラシなどで小刻みに動かして丁寧に磨き、最後に歯間ブラシで仕上げるのがおすすめです。

マウスピース型矯正(インビザラインなど)

マウスピースの縁が当たって痛い場合でも、自己判断で削るのは止めましょう。正しい矯正力がかからなくなってしまう可能性があります。また、装着時間や洗浄方法を見直し、それでも違和感が続くときは早めに通院しましょう。

裏側矯正(舌側矯正)

装置が舌や歯ぐきに触れやすいため、矯正用ワックスや保護ジェルを活用して刺激を和らげます。慣れるまでは発音練習をすると、舌の動きがスムーズになります。

保定期間(リテーナー)

リテーナー装着中は清掃不足で炎症が起きやすい時期です。決められた装着時間と洗浄ルールを守り、清潔を保ちましょう。

再発を防ぐための3つのポイント

装置まわりのケアを丁寧に

矯正専用ブラシやタフトブラシ、デンタルフロスを使い分けて、装置のまわりに汚れを残さないようにしましょう。毎日の積み重ねが炎症予防につながります。

間食や甘い飲み物を控える

糖分の多い飲食は、細菌の増殖を助けて歯ぐきの炎症を悪化させる原因になります。
だらだら食べを避け、時間を決めて食べて、食後はうがいや歯みがきを心がけましょう。

定期的なメインテナンスを受ける

3〜6か月ごとのクリーニングで汚れをキレイにし、初期の炎症を早めにケアできます。
装置の緩みや当たりも一緒にチェックしてもらいましょう。

患者様のご質問と医院の対応

ご質問

「矯正中に歯ぐきが腫れたらどうすればいいですか?」

当院の回答

「原因によって対処法が異なりますので、一度お口の状態を拝見しますね。」

来院時には、痛みの強さや腫れが出た時期、装置の種類、日ごろのケア方法などを確認します。必要に応じてクリーニングや装置の調整、薬の処方を行い、症状の改善をサポートいたします。
自己判断で装置を外したり削ったりせず、早めに相談することが回復と再発防止のポイントです。

2よくある質問(FAQ)

QuestionとAnswerの文字が書かれた吹き出し

Q1. 腫れている日は磨かないほうがいい?
A優しく短時間で大丈夫です。強くこすらず、洗口液やタフトブラシを使って清潔を保ちましょう。

Q2. 市販のうがい薬は使ってよい?
A低刺激タイプなら使用できます。しみる・痛む場合は使用を中止し、早めに受診をしましょう。

Q3. 鎮痛薬は飲んでよい?
A用法用量を守れば問題ありませんが、持病・妊娠中の方は必ず医師に相談をしましょう。

Q4. マウスピースの縁が当たるときは?
A自分で削らずに受診をしましょう。調整や再作製で改善できることがあります。

Q5. 妊娠中で腫れやすいのですが…?
A清掃と定期チェックを続けながら、体調に合わせて矯正を継続可能です。

Q6. 親知らずが原因かもしれない?
Aレントゲンで確認し、必要に応じて抜歯や経過観察を検討します。

Q7. 歯ぐきが腫れていても、矯正の調整に行ってもいいですか?
A受診を控える必要はありません。むしろ装置や歯ぐきの状態を確認する良い機会になります。強い痛みがある場合は、調整内容を一時的に軽くすることも可能です。

>>>当院でよく聞かれる質問はこちらをチェック

まとめ・受診のご案内

難波矯正歯科 診断

歯ぐきの腫れは原因によって対処法が異なります。無理をせず、早めに歯科医院へご相談ください。
当院では矯正中のトラブルにも迅速に対応し、痛みや不安を最小限に抑える治療を行っています。

お電話やWEB予約からお気軽にご連絡ください。
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