「インビザラインって最近よく聞くけど、どんな治療法なの?」「目立たないって本当? デメリットはないの?」「私の歯並びでもインビザラインで治せるのかな?」
このような疑問はありませんか?
インビザラインは、透明なマウスピースを用いた目立ちにくい矯正法です。取り外しが可能で、従来のワイヤー矯正と比べて日常生活への影響が少ないというメリットがあります。しかし、一方で自己管理が必要だったり、適応できない歯並びがあったりといった注意点も。
そこで本記事では、インビザラインとはどのような治療法なのか、メリット・デメリット、治療できる歯並び・できない歯並びなど、治療を検討する前に知っておきたい基礎知識を解説します。
インビザラインとは?
インビザラインは、透明なマウスピース型の矯正装置を使って歯並びを整える治療法です。患者さん一人ひとりの歯型に合わせたオーダーメイドのマウスピースを作成し、1~2週間ごとに新しいものに交換しながら、少しずつ歯を動かしていきます。
インビザラインのメリット
ここでは、インビザライン治療の主なメリットを6つ紹介します。
矯正中も自然な見た目
マウスピースは透明に近いため、装着していてもほとんど目立ちません。近くで見ても矯正していることに気づかれにくいでしょう。矯正中も自然な笑顔で過ごしやすく、仕事やプライベートへの影響も少ないと考えられます。
食事や歯磨きがしやすい
マウスピースは、食事の際にはマウスピースを取り外せるため、食べ物が矯正装置に挟まる心配がなく、好きなものを気兼ねなく食べられます。また、歯磨きの際にもマウスピースを外せるので、普段と同じように丁寧に歯を磨くことが可能です。
痛みが比較的少ない
インビザライン矯正は、歯型に合わせて作られた透明なマウスピースを使い、段階的に歯を移動させるためワイヤー矯正と比較して痛みが少ないとされています。
痛みの感じ方には個人差がありますが、ほとんどの方がインビザラインの痛みを「我慢できる程度」と感じています。
通院頻度が少ない場合がある
一般的に、インビザライン治療の通院頻度は1〜3ヶ月に1回程度です。インビザラインは治療開始前に、治療段階に応じたアライナーがまとめて作製され、指示された期間ごとにマウスピースを交換して治療を進めます。そのため、ワイヤー矯正よりも通院頻度が少なくて済む場合があります。
金属アレルギーの心配がない
ワイヤー矯正は、ニッケルやクロムといった金属が含まれていることがあります。これらの金属にアレルギーがある方は、皮膚炎や口内炎などの症状が出ることがありました。しかし、インビザラインのアライナーは医療用プラスチックで作られているため、金属アレルギーの心配なく矯正治療を受けられます。
治療開始前にシミュレーションで結果を確認できる
インビザライン矯正の大きな特長の一つは、治療開始前にシミュレーションを通じて、矯正後の歯並びを事前に確認できることです。治療前、治療中、治療後の歯並びを視覚的に確認できるため、 最終的な歯並びのイメージを確認でき、見通しを持って治療に臨めるでしょう。
インビザライン治療のデメリット
インビザラインは、透明で目立ちにくいマウスピースを使用する人気の矯正治療法ですが、他の矯正治療と同様に以下のようなデメリットもあります。
装着時間など自己管理が必須
マウスピースは、1日22時間以上装着することが推奨されています。これは、歯を移動させるために必要な力を、継続的に加える必要があるためです。
食事や歯磨きの際には外せますが、それ以外の時間はできる限り装着しておく必要があります。しかし、つい装着を忘れてしまったり、面倒に感じて装着時間を短くしてしまったりすることもあるかもしれません。装着時間が短いと、計画通りに歯が動かず、治療期間が延びたり、期待した効果が得られなかったりする可能性があります。
適応できない症例がある
インビザラインは、軽度から中程度の歯並びの乱れに効果を発揮しやすい方法です。骨格的な問題が大きく関わっているケースや歯の移動距離が非常に大きいケースなどは、治療が難しかったり、治療期間が大幅に長くなったりする可能性があります。
紛失・破損のリスク
マウスピースは取り外しができる反面、紛失や破損のリスクも伴います。
マウスピースを紛失した場合は、速やかに歯科医師に連絡することが重要です。紛失したマウスピースが何番目のアライナーか、いつから装着していたかなどを正確に伝えましょう。マウスピースが破損した場合も、同様に歯科医師への連絡が必要です。わずかなひび割れ程度ならそのまま使えることもありますが、自己判断はせず、必ず歯科医師に相談してください。
装着したまま飲食ができない
食事の際は必ずマウスピースを外す必要があります。 装着したまま食事をすると、アライナーが破損したり、食べ物が挟まったりする可能性があります。また、コーヒー、紅茶、赤ワインなどは、マウスピースが着色する原因に。水以外の飲み物を飲む場合もマウスピースを必ず外すようにしましょう。
歯科医師の経験・技術に左右されることがある
インビザラインは、マウスピースを装着するだけの治療ではありません。患者さん一人ひとりの歯並びや骨格、生活習慣などを考慮し、緻密な治療計画を立てることが求められます。
例えば、歯の動きをシミュレーションするソフトウェアの活用方法、アタッチメント(歯に付ける小さな突起)の適切な位置や形状の選択、IPRの必要性の判断など計画の精度が治療結果に大きく関わってくるのです。
インビザライン治療を検討する際には、費用だけでなく、歯科医師の経験や技術、実績なども確認することをおすすめします。
インビザラインで治療できる歯並び・できない歯並び
インビザライン治療を検討する上で、ご自身の歯並びが適応範囲かどうかを知っておくことは大切です。最終的な判断は歯科医師による診察と診断が必要ですが、一般的な目安として参考にしてください。
インビザラインで治療しやすい歯並び
● 軽度から中程度の叢生(そうせい)
● 軽度の空隙歯列(くうげきしれつ)
● 軽度の過蓋咬合(かがいこうごう)
● 軽度の反対咬合(はんたいこうごう)
比較的軽度な歯並びの乱れは、インビザラインで改善しやすい傾向があります。これらの症状は、インビザラインで改善が見込めることが多いです。ただし、治療期間や難易度は状態によって異なります。
インビザラインでの治療が難しい歯並び
● 重度の叢生
● 顎の骨格自体に大きなずれがある場合
● 歯の根の形や位置に異常がある場合
● 重度の過蓋咬合・反対咬
● 大きく捻じれている歯がある場合
抜歯を必要としたり、歯を大きく動かしたりする必要がある場合、インビザラインでは難しい可能性が高いです。このような場合、ワイヤー矯正やコンビネーション矯正、外科矯正が検討されます。
インビザライン治療の基本的な流れ
インビザラインによる歯列矯正治療は、一般的に以下のステップで進められます。
STEP1:カウンセリング・相談
カウンセリングにて、患者様のお悩みや歯並びに関するご希望を詳しくお伺いします。治療に関する疑問や不安な点も気軽に相談しましょう。
STEP2:精密検査
お口の状態を正確に把握するため、精密検査を実施します。レントゲン撮影、歯型採り、口腔内スキャン、お顔やお口の中の写真撮影などを行います。
STEP3:診断にて治療計画とシミュレーション確認
専用のソフトウェアを使用し、歯がどのように動いていくのか、治療後の歯並びがどうなるのかを3Dシミュレーションで視覚的にご確認いただけます。
STEP4:マウスピースの作製・到着
治療計画にご納得いただけましたら、治療に使用するオーダーメイドのマウスピースを作製する段階に進みます。完成したマウスピースはクリニックに届きます。到着まで1ヶ月~1ヶ月半程度です。
STEP5:治療開始・マウスピースの装着指導
いよいよ治療の開始です。クリニックにて最初のマウスピースをお渡しし、正しい装着方法や取り扱い、日々のお手入れについて丁寧にご説明します。
STEP6:定期的な通院・経過観察
治療期間中は、計画通りに歯が動いているかを確認するため、定期的にご来院いただく必要があります。通院時には、歯の動きを促すためアタッチメントを歯の表面につけたり、歯と歯の間をわずかに削ってスペースを作る処置(IPR)を行ったりすることもあります。
STEP7:治療完了・保定期間へ(リテーナー装着)
計画通りに歯並びが整ったら、マウスピースによる矯正治療は完了となります。しかし、きれいに並んだ歯並びが元の位置に戻ろうとするのを防ぐため、引き続き保定装置(リテーナー)を装着する「保定期間」へと移行します。
まとめ
インビザラインは、透明なマウスピースを使用する、目立ちにくい歯列矯正治療法です。取り外しが可能で食事や歯磨きがしやすい、痛みが比較的少ないなどのメリットがあります。
治療を成功させるためには、ご自身の歯並びがインビザラインに適しているか、信頼できる歯科医師のもとで精密な検査と診断を受けることが重要です。治療前にシミュレーションでゴールを確認できる点もインビザラインの魅力の一つです。
インビザラインでの矯正をご検討中でしたら、大阪市浪速区難波の難波矯正歯科へお気軽にご相談ください。お一人おひとりの歯並びの状態に合わせて、適した矯正方法をご提案します。