矯正治療を始めるとき、多くの方から寄せられる不安のひとつが「歯磨きは大丈夫かな?」という声です。
実際に装置をつけると食べかすが挟まりやすくなり、歯ブラシが届きにくい場所も増えます。
装置がない状態と比べれば、確かに歯磨きの難易度は上がるでしょう。しかし、正しい方法と道具を知って実践すれば、虫歯や歯周病のリスクはきちんと防げます。
この記事では、矯正中の歯磨きで気をつけたいポイントや装置ごとのケア方法について解説します。
また、医院で行っているサポートについても詳しく紹介しているので、矯正中の歯磨きに不安を感じている方は、ぜひ参考にしてください。
目次
実際の質問と医院の回答(実例)
Q:「矯正中の歯磨きは大変ですか?」
A:「はい。装置がついていないときよりも大変になりますが、当院では歯磨き指導を丁寧に行っていますのでご安心ください。」
なぜ矯正中の歯磨きが難しくなるのか?
矯正中の歯磨きが難しく感じられるのは、決して気のせいではありません。
矯正装置がつくことで、口の中の環境は大きく変化します。これまでと同じように磨いているつもりでも、どうしても磨き残しが出やすくなるのです。
まずは、具体的にどんな点が歯磨きを難しくしているのかを見ていきましょう。
ブラケットやワイヤーの“ひっかかり”による磨き残し
矯正中の歯磨きが難しくなる原因の一つ目は、ブラケットやワイヤーのひっかかりによる磨き残しです。
ワイヤー矯正では、歯の表面にブラケットという装置を貼り付けて、そこにワイヤーを通します。この構造が食べかすを引っかけやすく、プラーク(歯垢)が溜まりやすい状態をつくってしまうのです。
磨き残しがあると虫歯や歯肉炎のリスクが一気に高まるため、注意が必要です。
歯ブラシが届きにくい場所が増える
矯正装置がつくと、ブラケットの周囲やワイヤーの下、奥歯の溝など、通常の歯ブラシでは毛先が入りにくい場所が一気に増えます。
特に、歯と歯ぐきの境目や装置のすき間は汚れがたまりやすく、見落としがちなポイントです。
そのため、ただ歯ブラシを左右に動かすだけでは十分に汚れを落とすことができません。
今までの磨き方をそのまま続けていると磨き残しが生じやすくなるため、以下のような工夫が必要です。
● 毛先を歯と歯ぐきの境目に斜め45度で当てる
● ブラケットの上下を磨くときは、縦方向に小刻みに動かす
● 奥歯や装置のすき間は、歯ブラシを斜めに差し込むようにして磨く
矯正中は「どこに毛先を届かせるか」を意識して磨くことが、虫歯や歯肉炎の予防につながります。
マウスピース型矯正でも注意が必要
「マウスピース型矯正なら外せるから歯磨きは簡単」と考える方も少なくありません。
確かに、装置自体を外して磨けるためワイヤー矯正よりは清掃しやすいのですが、油断するとトラブルにつながります。
食事のあとにきちんと歯を磨かずにマウスピースを装着してしまうと、マウスピース内に食べかすや糖分が閉じ込められ、細菌が繁殖しやすい環境になります。
そのまま長時間装着を続ければ、虫歯や歯肉炎の原因となってしまうのです。
さらに、歯磨きやマウスピースの洗浄を怠ると、マウスピース自体が着色・臭いの原因になることもあります。外せるからこそ、「食事 → 歯磨き → マウスピース装着」という流れを習慣化することが大切です。
清潔に保ちながら十分な時間装着することが、矯正効果を最大限に引き出すポイントになります。
装置別|歯磨きのコツと推奨グッズ
矯正中の歯磨きは、使っている装置の種類によって気をつけるポイントが変わります。
ワイヤー矯正かマウスピース型矯正かで、汚れが溜まりやすい場所や磨き方の工夫が異なるため、それぞれに合ったケアを実践することが大切です。
ここでは、装置ごとの歯磨きのコツと、役立つ道具について詳しく見ていきましょう。
ワイヤー矯正(表側・裏側)
ワイヤー矯正中は、小さめヘッドの歯ブラシを選び、細かい部分はタフトブラシで仕上げます。
特にワイヤーの下は汚れが溜まりやすいため、歯間ブラシを使うのが効果的です。裏側矯正の場合は視界に入りにくいため、手鏡を活用しながら確認すると確実です。
マウスピース型矯正(インビザラインなど)
マウスピースを装着する前後には、必ずブラッシングを行いましょう。
食べかすや糖分が残ったまま装着すると、マウスピースの内側が細菌の温床となり、虫歯が発生しやすい環境になってしまいます。
さらに、マウスピース本体の洗浄も忘れずに行ってください。専用の洗浄剤か、中性洗剤を使ったブラッシングで清潔を保ちましょう。
補助的におすすめの道具
矯正中の歯磨きで、補助的におすすめな清掃用具は、以下のとおりです。
● ワンタフトブラシ
● デンタルフロスorウォーターフロス
● 電動歯ブラシ
上記の道具を取り入れることで、通常の歯ブラシでは届きにくい部分が清掃しやすくなります。
特にワンタフトブラシは装置のすき間や奥歯周囲に便利で、フロスやウォーターフロスは歯間の汚れ除去に欠かせません。
電動歯ブラシは使い方に注意が必要ですが、正しく使えば効率的に磨ける心強いアイテムです。
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矯正中に虫歯・歯周病を防ぐために大切な習慣
矯正中は、虫歯や歯周病のリスクが高まるため、自宅での歯磨きだけでなく日常生活全体での工夫が欠かせません。
ちょっとした意識の違いが、口内環境を大きく左右します。
ここからは、矯正中に特に意識してほしい習慣について詳しく解説していきます。
歯磨きの「回数」と「タイミング」が重要
矯正中は、最低でも朝・昼・夜の3回、できれば間食後も歯磨きを心がけましょう。
特に就寝前の歯磨きは最も重要です。
寝ている間は唾液の分泌が減るため、口内の細菌が繁殖しやすくなります。夜は時間をかけて丁寧に、フロスやタフトブラシも併用して歯磨きを行いましょう。
定期的なプロケア(クリーニング・PMTC)
矯正中に虫歯や歯周病を防ぐためには、定期的なプロケアも大切です。
矯正中は、毎日の歯磨きを丁寧にしていても、装置の周囲や歯と歯の間にはどうしても磨き残しが生じます。
ブラケットの周囲にこびりついたプラークや、ワイヤーの下にたまる汚れは、自宅ケアだけでは完全に落とすのが難しい傾向にあるため、注意が必要です。クリーニングやPMTCでは、専用の器具を使って装置周りや歯と歯のすき間を徹底的に清掃し、通常の歯ブラシでは届かない部分のプラークや歯石を取り除きます。
また、フッ素塗布によって虫歯の予防効果を高めることもできます。
定期的にプロのメンテナンスを受けることで、矯正中も清潔で健康的な口内環境を維持しやすくなるのです。
当院で行っている歯磨き指導とは?
当院では矯正を始める前に、装置の種類や位置に合わせた歯磨きの方法を個別にレクチャーしています。
患者さんごとに「ここが磨きにくい」「時間がかかる」といった苦手ポイントを把握し、繰り返しフォローしていくので、ご安心ください。
実際に自宅で取り組みやすいよう、道具選びから磨き方の工夫まで一緒に確認します。
確かに大変。でも“やればできる”ケア習慣を
矯正中の歯磨きは、装置があるぶん確かに大変ですが、それはあくまで一時的なものです。
正しい「やり方」と「道具」、そして「プロのサポート」があれば、虫歯や歯周病を防ぎながら安心して矯正を続けられます。
大切なのは「面倒だからやらない」ではなく、「どうすればできるか」を一緒に考える姿勢です。
健康な口元を守りながら、美しい歯並びを手に入れるために、日々のケアを積み重ねていきましょう。
難波矯正歯科では、矯正治療に関するご相談を随時受け付けております。「自分の場合はどうなんだろう?」「どんな治療法があるの?」「期間や費用は?」といった疑問やご不安など、どんなことでもお気軽にお話しください。
当院は南海難波駅から徒歩3分で、仕事終わりにも通いやすく遊びに行くのにも便利な立地です。歯医者のためだけに遠くに通うのはちょっとという方にはぜひ当院をお選びいただけたらと思います。
当院のカウンセリングでは矯正経験のあるカウンセラーより、お悩みを一緒に解決できるようご提案させていただいております。ご自身のことをより知りたいと思っている方はぜひ精密検査(有料)も受けてみてください。知りたいことや矯正後の自分をより知れる機会になります。
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