「矯正装置をつけたら口のなかが傷だらけになった」
「舌が痛くて話すのもつらい」
そんなお悩みを、難波矯正歯科では毎日のように患者様からお受けします。
実は、矯正治療を始めた方の約7割が、最初の1ヶ月で口内炎を経験するという統計があるんだとか。
こんな話を聞けば、不安になる方が多いと思います。
でも大丈夫!
正しい知識と対策があれば、痛みをグッと抑えて快適に過ごすことが可能です。
今回は、口内炎の原因から当院がおすすめする効果的な対処法まで、わかりやすくお伝えします。
目次
矯正装置をつけると口内炎が大量発生するといわれている理由
結論からいうと、矯正装置をつけると口内炎の発生確率は高いです。
ですが、矯正の種類によって口内炎のできやすさは異なります。
まずは、どうして口内炎が発生してしまうのか、そして矯正治療別に発生しやすい部位について詳しくみていきましょう。
矯正で口内炎ができる3つの理由
矯正治療によって口内炎ができる理由を3つ挙げてみました。
矯正を始めたばかりで口内炎ができやすいという方は、以下の項目に当てはまるかチェックしてみましょう!
①装置が口のなかを傷つけるから
矯正装置が頬や舌、唇に当たってしまうと小さな傷ができます。毎回の食事や会話のたびに擦れるので、その傷が口内炎になってしまうのです。
②口のなかの環境が変化するから
矯正装置をつけると歯磨きすることが難しくなります。磨き残しが多くなると細菌が増殖し、さらに傷になった部分に細菌が付着することで炎症を引き起こしてしまうのです。
③身体の抵抗力が下がるから
矯正を始めたストレスや痛みで眠れない、食事が採りにくいなどの影響から、一時的に体の抵抗力が弱くなることがあります。それによって傷を治す力がなくなり、口内炎が大量発生してしまう可能性が高くなります。
矯正の種類で口内炎のでき方が異なる
当院で行う矯正治療はいくつか種類がありますが、治療法によって口内炎のでき方が異なります。
マウスピース型矯正
●口内炎の発生頻度→低め
●痛みの度合い→軽め
●口内炎が続く期間→数日
マウスピース型矯正は、透明なマウスピースを歯に装着して歯を動かす矯正治療です。
口内炎ができるとしたら歯茎のあたりが多いでしょう。新しいマウスピースに変えると、慣れていないために靴擦れと同じ感覚で歯茎に擦れを起こしやすいです。
表側矯正(ワイヤー矯正)
●口内炎の発生頻度→やや高め
●痛みの度合い→普通
●口内炎が続く期間→1~2週間
表側矯正は、歯の表面に装置を装着するため唇の裏側や頬の内側に装置が当たりやすいです。
そのため、口内炎も唇や頬に発生するケースが多いでしょう。装置をつけた直後や調整したあとは、特に注意が必要です。
裏側矯正(舌側矯正)
●口内炎の発生頻度→高め
●痛みの度合い→強い
●口内炎が続く期間→3~4週間
裏側矯正(舌側矯正)は、歯の裏面に装置をつけるため最も舌に当たりやすいです。
話したり舌を動かしたりするたびに装置に擦れるため、長期間に渡り口内炎が発生しやすくなります。装置をつけた直後は、舌の位置に注意してください。
口内炎の種類
口内炎といっても、いろんな種類があるのをご存じですか?
ここでは、口内炎の種類をタイプ別に紹介していきます!
アフタ性口内炎
アフタ性口内炎は、見た目が白っぽくて境界がはっきりした丸い潰瘍のことをいいます。
原因は、栄養不足や疲れ、ストレスからくるものが多いです。触ると激痛が走るのが特徴です。
外傷性口内炎
矯正装置をつけて唇や舌に擦れてできる口内炎は、この外傷性口内炎が該当します。
形がいびつで、装置が当たる場所にできることが原因です。口内炎ができた部位を動かすと鈍い痛みが走ります。
ウイルス性口内炎
小さな水ぶくれがたくさんできるタイプは、ウイルス性口内炎です。
水泡が破れると潰瘍になり、ヒリヒリとした強い痛みを感じます。原因は、ヘルペスウイルスに感染し、悪さをするから。
一度感染してしまうと、再発を起こしやすいという側面を持ち合わせています。
細菌性口内炎
細菌性口内炎は、周りが赤く腫れて膿が出ることもある口内炎です。
歯磨きを怠ることで細菌数が増殖してしまうと、かかりやすくなります。ズキズキとした痛みを感じやすいでしょう。
【こんなときは、すぐに相談してください!】
※急いで病院に行ったほうがいい症状
● 2週間経過しても治らない
● 熱が38度以上出る
● 口内炎が1センチ以上
● 痛みが強く、3日間食事ができない
● 血が止まらない
※様子を見ても大丈夫な症状
● 5ミリより小さい口内炎
● 痛いけど食事は可能
● 熱はない
● 1週間以内に良くなっている傾向がある
口内炎はよく起こる症状といえ、治りが悪い、痛みが激しいなど、いつもと違う症状のまま放置しないように注意が必要です。
上記のような症状が続いたら、遠慮なく当院までご相談ください。
口内炎をつくらないための予防法
口内炎は「治す」より「つくらない」が賢い選択です!
痛くつらい思いをする前に、しっかり予防しましょう。
ここからは、効果的な予防策について紹介します。
日常生活で気をつけること
歯磨きのポイント
● やわらかめの歯ブラシをつかう→硬めを使うときは頬や舌に擦れないように注意!
● 装置周辺は優しく磨く→力を入れすぎない!
● うがいを日常的に行う→食べかすを残さない
生活習慣のポイント
● 水をたくさん飲む→口のなかが乾くと粘膜が傷つきやすい
● ビタミンBを摂取する→レバー、卵、牛乳など
● しっかり寝る→睡眠不足は口内炎のリスクになる
● タバコや酒を控える→粘膜に刺激を与える
口内炎ができやすい時期を把握しておく
● 装置をつけた直後の1~2週間
● 装置を調整したあとの数日間
● 疲れやストレスが溜まっているとき
● 風邪気味で免疫力が下がっているとき
口内炎ができてしまったときの対処法
「しっかり予防していたのに口内炎ができてしまった…!」
そんなときは慌てず、以下の対処法を試してみてください。
しっかり対処しておけば、悪化せずに早めの改善が期待できます。
①矯正用ワックス(最もオススメ!)
当院では、装置をつけた直後に矯正用ワックスをお渡ししています。
口内炎の予防策としても効果的なので、ぜひお使いください!
■使用法
指で小さくちぎったワックスを乾燥状態にした装置につける
■どんな効果があるか
装置と口のなかの間にクッションをつくり、痛みを和らげる
■持続時間
2~3時間(食事のあとは付け直し)
■安全性
副作用の心配はない
②食事で症状を悪化させないコツ
避けたほうがいい食べ物
● 硬いもの:せんべい、ナッツ、氷など
● 酸っぱいもの:レモン、梅干し、酢の物など
● 辛いもの:唐辛子、わさび、カレー
● 熱すぎるもの:熱いお茶、スープなど
おすすめの食べ方
● 一口サイズに小さく切る
● よく噛んでゆっくり食べる
● 冷ましてから食べる
● 柔らかく調理する
③薬を使用する
口内炎パッチ
■効果
患部を保護して薬が長時間効く
■使用法
口内炎の部分を乾かしてから貼る
■注意点
唾液で取れやすい
軟膏
■効果
炎症を抑えて痛みを和らげる
■使用法
綿棒で薄く塗る
■種類
ステロイド入りとなしのタイプあり
④レーザー治療
ひどい口内炎の場合には、レーザー治療も効果的です。
レーザーを当てることで痛みが和らいで、治りも早くなります。
⑤装置の調整(最後の手段)
どうしても痛くて我慢できない場合は、装置を調整することができます。
ただし、治療期間が長くなる可能性があるので、あまりおすすめしていません。
他の方法を試してみても改善傾向にないときに検討するようにしましょう!
矯正中の口内炎は怖くない!予防と対策を意識しよう
矯正治療中の口内炎は、多くの方が経験する症状です。
ですが、正しい対策をすれば大丈夫!
今回紹介した予防法と対処法を心がけることで、発生や悪化を防止できます。万が一、口内炎の治りが遅く、悪化が続いたときは早めに当院にご相談くださいね。
難波矯正歯科では、患者様お一人おひとりに合わせたサポートを心がけています。
矯正中の口内炎でお困り事がありましたら、どんな小さなことでも遠慮なく問い合わせください。矯正治療は美しい歯並びを手に入れるための大切な時間です。
一時的な口内炎に負けずに、素敵な笑顔を手に入れましょう!!