ガミースマイルという言葉を聞いたことがありますか？
あまり聞きなれない言葉かもしれませんが、笑った時などに歯ぐきが３ミリ以上露出する状態を「ガミースマイル」といい、アジアの方に見られやすい口元です。
通常、笑顔の時に歯ぐきが見えるのは正しいのですが、ガミースマイルの場合、歯ぐきが見える割合が増えてしまいます。
歯ぐきが目立ってしまうため、笑う時に手で覆ってしまったり、笑顔に自信が持てなかったりするなどデメリットがあります。
そこで今回は、ガミースマイルを放置することのリスクについて詳しくご紹介します。
ガミースマイルの4つの原因とは
1 出っ歯
出っ歯には、先天的な原因と後天的な原因がありますが、骨格が関係しているのは、先天的な原因の遺伝による出っ歯です。
また、後天的な理由としては、長期間指しゃぶりをしている、前歯を舌で押すくせがあるなどです。
歯が出ているため、唇が上がりやすくなってしまい、歯ぐきが強調されやすくなります。
2 かみ合わせが深すぎる
過蓋咬合(かがいこうごう)は、かみ合わせた時に下の歯が上の歯に隠れてしまう深いかみ合わせのことをいいます。
上の歯が覆っているため、歯ぐきが見えすぎてしまう「ガミースマイル」の原因になってしまうことがあります。
また、かみ合わせが深いため、下の歯が上の顎に当たって痛みが出たり、食いしばりが強かったりするため、顎関節症につながることがあります。
過蓋咬合は、審美的な問題だけでなく、お口の中のトラブルにつながってしまいやすいため、早めに治療をした方がよい歯並びです。
3 上唇を挙げる筋肉が発達し過ぎている
上唇の筋肉が過剰に発達し過ぎていると、唇を押し上げ過ぎてしまうため、ガミースマイルの原因につながります。
また、上唇が薄い方も口を少し開けただけでも歯ぐきが見えやすいので、笑顔の時にガミースマイルにつながってしまいます。
4 歯の大きさや位置で歯ぐきが目立つ
前歯が出ていると、歯ぐきが見え過ぎてしまい、ガミースマイルになってしまうことがあり、歯並びなども関係してガミースマイルになることが多いです。
また、平均と比べて歯が小さい場合や、短い場合にも歯ぐきが強調されてガミースマイルの原因になる場合があります。
ガミースマイルをそのまま放置していると起きる2つのリスク
1 見た目のコンプレックスを抱きやすい
ガミースマイルは歯ぐきが強調されるため、見た目が気になって笑う時に口を隠してしまうなどコンプレックスになりやすいといわれています。
特に海外では、審美的に美しくないと捉えられることが多く、就職なども不利になってしまうといわれています。
口元にコンプレックスがあると、話すことにも抵抗が出てしまうケースもあり、消極的になって人間関係に影響が出てしまうこともあります。
2 むし歯や歯周病、口臭のリスクが高まる
歯ぐきが露出しやすく、乾燥しやすいため、お口の中の細菌が繁殖しやすい環境になってしまいます。
唾液には、細菌の繁殖を抑える働きや口の中の汚れを流す作用があります。
ガミースマイルの方は、出っ歯や過蓋咬合などの歯並びの不正を伴っていることが多く、出っ歯の場合には、口呼吸にもなりやすい歯並びです。
お口の乾燥は、口臭の原因になることもあり、乾燥した状態は、むし歯菌や歯周病菌が活発になることでさらに悪化することもあります。
ガミースマイルの3つの治療法
歯列矯正
ガミースマイルになっている原因が、「出っ歯」や「過蓋咬合」の場合には、歯並びを改善することでガミースマイルが落ち着くことがあります。
出っ歯の場合には、前歯が出ている部分が改善されるため、唇が閉じやすくなり、歯ぐきが目立ちにくくなります。
過蓋咬合の場合には、かみ合わせの改善ができるため、下の歯も正しい位置でかみ合わせることができ、歯ぐきが強調されずにガミースマイルも改善しやすくなります。
ただし、ガミースマイルになって入る原因が「骨格性」の場合には、歯並びの改善だけではガミースマイルが改善しない場合がありますので、この場合には外科的な処置も検討されます。
歯肉整形(歯冠長延長術)
歯ぐきの内側や粘膜を切除して縫合して、歯ぐきの見える量を調整する手術をする治療です。
局所麻酔で手術することができ、電気メスやレーザーなどで対応します。
治療も短期間で比較的負担の少ない方法ですが、歯肉が後戻りしてしまう可能性があります。
上唇粘膜切除術
歯ぐきの粘膜を少し切除して縫合する方法で、後戻りがしにくく、歯ぐきが見える範囲の改善が見込めます。
注射による治療
上唇の筋肉が発達し過ぎている場合の治療法で、上唇がめくれ上がりにくくなります。
また、唇が薄いため、歯ぐきが見えすぎている方にも効果が期待できます。
ただし、効果がずっと持続するわけではなく、6ヶ月程度の期間で徐々に効果が薄れてきます。
効果を持続させるためには、継続して定期的に筋弛緩作用のある注射を注入する必要があります。
注射による治療のメリットは、施術時間が15分程度の短時間で終わる点と、注射をするだけなので、ダウンタイムがほとんどない点です。
一方、デメリットは、効果が6ヶ月程度で実感できなくなるため、継続するためには、定期的に注射を打つ必要がある点です。
また、当日から即効性があるわけではないため効果が現れるまでに数日から1週間程度かかります。
大切なイベントがある時には、少し余裕を持ってスケジュールを立てましょう。
ガミースマイルの治療をする際に注意するポイント
ガミースマイルは、その原因に対して治療が異なるため、ガミースマイルの症例を多く行っているクリニックを選択しましょう。
治療の選択肢が選ぶことができるクリニックが安心でしょう。
ガミースマイルの治療はどのクリニックでも対応しているわけではないため、いくつかカウンセリングを受けてみることをおすすめします。
「注射による治療」や「歯肉整形」はどの歯科医院でも対応しているわけではないため、事前にHPなどで確認しましょう。
また、ガミースマイルは歯並びの不正も合わせ持っていることも多く、歯並びを改善することで口元の印象が大きく変わることが考えられます。
矯正は見た目だけでなく、歯並びやかみ合わせが改善するので、しっかりと噛めるようになる、顎に負担がかかりにくい、歯ブラシが当たりやすくなるので、お口の中を清潔に保ちやすく、むし歯や歯周病のリスクを軽減できます。
ガミースマイルでお悩みの方はお気軽にご相談ください。
芸能人の方でもガミースマイルの方はいて、愛嬌があると捉えられる場合もありますが、コンプレックスにもなりやすく、さまざまなデメリットがあります。
特徴的な見た目なので、笑った時に口を隠してしまったり、人前で話すことが苦手になってしまったりする方もいます。
また、口が乾燥しやすいので、細菌が繁殖しやすい環境になって、むし歯や歯周病のリスクが高まります。
また、口臭の原因になってしまうこともあるため、機能的にも改善した方がよい口元です。
ガミースマイルは症状や原因によって治療法が異なりますので、まずはお気軽にご相談ください。
当院では、患者さまのご希望や症状に合わせて丁寧にカウンセリングをして、納得できる説明に努めております。
他院で相談して迷っている方も、まずはお気軽にお問合せください。