日本人の平均寿命は年々上昇しており、長生きできる人が増えてきています。
できるだけ健康に長生きしたい、と考えるのは当然のことですよね。平均寿命だけでなく「健康寿命」という言葉も注目されてきています。
健康寿命とは「健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間」のことです。健康寿命を伸ばすためにはお口の健康が重要である、といわれています。
ここでは、お口の健康について、全身の健康との関わりも含めて解説していきます。
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目次
お口の健康とは
歯や頬・舌のような粘膜など、お口の中の環境が良好であること全般をいいます。
日常生活において、お口を必要とする場面は多くありますよね。なんでも食べることができる、人と楽しく会話ができるなど、お口が健康でないと成立しないこともたくさんあります。歯科健診での検査項目でもあるむし歯や歯周病といった病気も、お口の健康を損なう大きな原因のひとつです。
お口の機能低下も健康に関係する
「口腔機能低下症」といって、年齢を重ねるとともにお口の機能が低下してしまうことがあります。
食事の時にむせやすくなったり、食べ物を選んで食べるようになってきたりします。お口の機能低下を放置していると栄養の片寄りや栄養不足によって、全身に影響を及ぼしてしまうことがあります。とくに高齢者の場合は要介護になるリスクが上がるといわれており、注意が必要です。
むし歯による病気への影響
むし歯による病気への影響には、以下のようなものがあります。
それぞれ詳しくみていきましょう。
顎の骨にまで炎症が到達する「骨髄炎」
むし歯による炎症は、その歯だけではなく歯を支えていた顎の骨にまで拡がっていきます。骨の中で炎症が起こることで膿が溜まり、顔が腫れたり非常に強い痛みを引き起こすことがあります。
血管まで到達すると「動脈硬化」を引き起こす
むし歯による炎症は、心筋梗塞や脳梗塞といった病気にも影響を及ぼします。心筋梗塞や脳梗塞といった「梗塞」とは、血液が通わなくなり細胞が死滅してしまうことを指します。
むし歯の細菌が血管内に流れ込むことで、血管が傷ついて動脈硬化を引き起こしてしまうことがあります。
歯周病による病気への影響
歯周病による病気への影響には、以下のようなものがあります。
それぞれ詳しくみていきましょう。
血液中に入り込み「糖尿病」の原因となる
歯周病によって産生される炎症性物質には、血糖値を下がりにくくする効果があります。血糖値が下がらず上がったままになると、糖尿病が進行してしまいます。
歯周病と糖尿病には非常に強い関係があり、糖尿病の人は歯周病になりやすい、ともいわれています。
骨の代謝に影響を与え「骨粗鬆症」に
歯周病も骨粗鬆症も、骨が弱くなってしまう病気のひとつです。
強い相関関係があり、歯周病だと骨粗鬆症になりやすく、骨粗鬆症だと歯周病になりやすいといわれています。特に閉経後の女性はホルモンなどの影響もあり、歯周病にも骨粗鬆症にもなりやすいので注意が必要です。
血管まで到達すると「動脈硬化」を引き起こす
むし歯の細菌と同様に、歯周病の細菌も動脈硬化の原因となります。心筋梗塞や脳梗塞・心内膜炎など血管を介してさまざまな病気の原因のひとつとなります。
血液を介して「低体重児出産・早産」を引き起こす
歯周病によって産生される炎症性物質は、陣痛を引き起こす物質の生成を促す効果があります。
そのため、体内では出産の合図と勘違いしてしまい早産へとつながるリスクがあります。歯周病による低体重児出産・早産のリスクは、健康な方の7倍近くであるといわれています。
細菌が肺で炎症を起こし「誤嚥性肺炎」へ
誤嚥性肺炎とは、本来気管に入ってはいけないものが入り(誤嚥)、肺炎が生じることをいいます。
誤嚥性肺炎を起こした肺の中から歯周病菌が多く発見されることから、歯周病が活発な方ほど誤嚥性肺炎のリスクが高いとされています。高齢者の方など、嚥下能力が低下してくると誤嚥のリスクも高くなるため注意が必要です。
歯並び・噛みあわせによる病気への影響
歯並び・噛みあわせによる病気への影響には、以下のようなものがあります。
それぞれ詳しくみていきましょう。
むし歯や歯周病になりやすい
歯並びが悪いと清掃不良が起こりやすいため、むし歯や歯周病が発生しやすくなります。むし歯や歯周病が進行してしまうと、先ほどお話したような病気のリスクも高くなるため注意が必要です。
頭痛や肩こりの原因となる
噛みあわせが悪いと、歯や顎だけでなく支えている筋肉にも負担がかかります。その結果として、肩こりや頭痛といった症状がでる場合があります。
消化器官へ負担をかけやすい
歯並び・噛みあわせが悪いと、食べ物を細かく噛み砕くことが困難になるため、塊のまま飲み込むことが増えます。
噛み砕かれていない食べ物は消化に時間がかかるため、胃腸へ負担をかけることとなります。
顎関節症を発症する恐れがある
歯並び・噛みあわせが悪いと、顎が変形したりズレたりするため、顎の関節に負担がかかります。
顎の関節に負担がかかり続けると、痛みがでる・お口が開けにくいといった顎関節症の症状が出るリスクが高まります。
お口の中を健康にする方法とは
このように、お口の中が健康でない場合には全身でさまざまな病気のリスクが高くなります。お口の中を健康に保ち、できるだけ病気にならないような生活を送りたいところですね。
では、お口の中を健康にするためにはなにができるでしょうか。お口の環境を整える方法をいくつかご紹介しますので、参考にしてみてくださいね。
セルフケアでお口の中を清潔にする
もっとも大切なことは、毎日のセルフケアを丁寧に行うことです。
歯ブラシ・歯間ブラシ・デンタルフロス・洗口剤など、さまざまなケア用品が存在します。セルフケアに不安やお悩みがあるようでしたら、歯科医院で相談してみましょう。
当院では、一人ひとりに合ったセルフケア方法をご提案させていただいております。
プロフェッショナルケアを定期的に受ける
セルフケアだけでは落としきれない細かい汚れは、定期的に取り除いておきましょう。むし歯や歯周病のリスクを減らすことに繋がりますし、万が一むし歯や歯周病になっていても早期に発見できれば比較的簡単に治療することができます。
歯列矯正で歯並びを改善する
歯列矯正は見た目を改善するイメージが強いかもしれませんが、その他にもメリットはさまざまです。
歯列矯正を行うことで、セルフケアをしやすいお口の環境へと近づけることができます。また、噛み合わせが改善されることで、頭痛・肩こり・消化不良・顎関節症などの症状を減らせる可能性があります。
唾液がしっかり出るようマッサージをする
唾液が少なくお口の中が乾燥していると、むし歯や歯周病の細菌が繁殖しやすくなります。
唾液にはさまざまな機能があり、そのどれもが全身の健康を保つために重要な役割を果たしています。唾液が少ないと感じる方は、唾液腺マッサージなどで分泌を促してあげましょう。
よく噛んで食事をとる
しっかり噛んで食事をすると消化を助けたり肥満を防止したり、健康なからだへと導いてくれます。食事をとるときには噛み応えのあるものを食べたり、しっかり噛み砕いて食べるなど、意識するとよいでしょう。
健康なお口づくりは健康なからだづくりの第一歩!
いかがでしたでしょうか。
お口の中を健康に保つことは、全身の健康を保つために重要な役割を果たしています。いつまでも健やかに明るく生活できることを誰しも願っているのではないでしょうか。
お口の健康は全身の健康と深いつながりがあることを意識して、健康なお口づくりを目指しましょう!
そのためにも歯科矯正でしっかりと歯並びを整え、歯磨きがしやすい口腔内を作ることで清潔さを保つことができます。
当院では歯の状態もしっかりと見ながら矯正をしてまいりますので、健康な状態を保っていただけます。
難波矯正歯科は南海難波駅より徒歩3分の立地で、通勤途中にも通いやすい場所にございます。
がたつきが多く、歯磨きがしづらい等のお悩みをぜひ当院のカウンセリングにてご相談ください。
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