矯正治療の中でも、ワイヤー矯正は広く知られている治療法ですが「それぞれの装置の違いがよくわからない…」と治療の選択に困っている方も少なくありません。
そこで本記事では、ワイヤー矯正の3つの治療法について解説します。治療期間やメリット・デメリットなどもあわせて解説。ワイヤー矯正を検討している方は、是非この記事を参考にしてください。なお、難波矯正歯科ではワイヤー矯正を取り入れています。具体的な治療内容や費用等について興味のある方はこちらをご覧ください。
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目次
ワイヤー矯正とはどんな治療法?
ワイヤー矯正とは歯の表面にブラケットという装置を付けた上に、ワイヤーを通して歯を動かす治療法のことです。昔から存在する治療法で歴史があり、多くの歯並びに適応できる優れた矯正方法。一般的には奥歯を固定源としてワイヤーの引っ張る力で歯を移動させるため、奥歯を前歯側に動かすことを得意としています。その他にも根の向きを変える、丸い歯を回転させるといった細かい動きが可能で、理想的な歯並びを追求できます。
ワイヤー矯正の3つの種類
ワイヤー矯正には、下記の表のような3つの種類の装置があります。
表側矯正 | 裏側矯正(舌側矯正) | ハーフリンガル矯正 | |
特徴 | ・歯の表側に装置を付ける
・金属の装置が一般的 ・装置が目立ちにくいブラケットやワイヤーがある |
・歯の裏側に装置を付ける
・矯正装置が外側からほとんど見えない ・費用が高額になりやすい |
・上顎は裏側、下顎は表側にブラケットとワイヤー装置を付ける
・装置が目立ちにくい ・治療費を抑えられる |
治療期間 | 部分矯正:3ヶ月〜1年半
全体矯正:1年〜3年 |
部分矯正:3ヶ月〜1年半
全体矯正:1年〜3年 |
部分矯正:5ヶ月〜1年半
全体矯正:1年〜3年 |
費用相場 | 部分矯正:300,000円〜600,000円
全体矯正:600,000円〜1,300,000円 |
部分矯正:400,000円〜800,000円
全体矯正:1,200,000円〜1,500,000円 |
部分矯正:350,000円〜650,000円
全体矯正:800,000円〜1,200,000円 |
それぞれの矯正装置について、詳しく解説します。
表側矯正
表側矯正とは歯の表側にブラケットやワイヤー装置を付けて、歯並びを整える方法のことです。歯の表側に装置を付けるため、口元が目立つ傾向があります。矯正装置が他人から見えることに抵抗がない方や矯正費用を抑えたい方に、おすすめの治療になります。
裏側矯正(舌側矯正)
裏側矯正は歯の内側にブラケットやワイヤー装置を付けて、歯並びをキレイにしていく治療法です。歯の裏側に装置を付けるため、他人から歯列矯正をしているのが気づかれにくいという特徴があります。芸能関係や接客業といった仕事をしている方や卒業式や成人式、結婚式で装置が目立つ状態で写真に写りたくない方におすすめの治療法です。
ハーフリンガル矯正
ハーフリンガル矯正とは上顎は歯の内側に、下顎は表側にブラケットやワイヤー装置を付けて歯並びを整える治療法のことです。上下ではなく、片顎の裏側に装置を付けるためハーフ(半分)リンガル(舌側)と呼ばれています。
ワイヤー矯正の装置別メリット
ワイヤー矯正でも装置によってメリットが異なります。ここでは、それぞれの装置のメリットについて詳しく紹介します。
表側矯正の2つのメリット
表側矯正のメリットは、主に次の2つがあります。
発音に支障がない
矯正装置を付ける位置によっては言葉が発しづらいこともありますが、表側矯正の場合は舌の動きを制限しないため、発音障害が出る可能性がほとんどありません。
治療費を抑えられる
表側矯正では既製品のブラケットやワイヤーを使用するため比較的、矯正費用を抑えることができます。参考までに、当院の表側矯正の治療費は1,177,000円(税込)になります。
裏側矯正の6つのメリット
裏側矯正のメリットは、次の6つがあります。
矯正装置が外から見えにくい
裏側矯正では矯正装置を歯の内側に付けるため、口元が目立ちにくく周囲の人から矯正治療をしていることを気づかれにくいのが特徴。ただ、口を大きく開けると装置が見えることもあるので、注意が必要です。
舌癖の改善になる
歯並びが悪くなる原因のひとつに、舌で歯を押す癖があります。歯列矯正で歯並びをキレイにしても舌癖が残ったままだと、後戻り(歯が元の位置に戻ること)をすることも少なくありません。矯正装置を歯の裏側に装着することで舌が装置に触れて違和感を感じ、歯を押す癖が少なくなります。その結果、舌が本来の位置に収まって後戻りを防ぐ効果が期待できます。
出っ歯や受け口の改善に適している
歯には装置が付いている方向に動きやすいという性質があり、出っ歯や受け口などの歯が前に突き出ている歯並びは、裏側矯正が効果的です。裏側矯正は外側に出ている歯を内側に引き込んで、効率的に歯を並べることができます。そのため、予定していた治療期間より短く済むケースも少なくありません。
矯正装置を気にせず食事ができる
ワイヤー矯正は歯に装置を固定するため、歯と装置の間に食べ物のかすが溜まる傾向です。特に表側矯正は食べ物が溜まったかすが目立ちやすく、外食をした時には装置を気にして、食事や会話に集中できないことも少なくありません。
いっぽう、裏側矯正は歯の内側に装置が付いているため、食べ物のかすが詰まっても周りから見える心配がありません。外食の時も装置の見た目を気にせず、食事を楽しめます。
歯を痛めにくい
ブラケット装置を歯に付ける際は、特殊な接着剤を使って固定します。表側矯正では治療が完了し装置を外す際、歯に亀裂が入るエナメルクラックというトラブルが起きて、歯を痛めることがあります。歯の内側は表側よりエナメル質が厚いため、装置を外す際に歯を痛める心配がほとんどありません。
虫歯や歯周病になりにくい
ワイヤー矯正は磨き残しが多くなりやすく、虫歯や歯周病のリスクが高まる傾向です。特に、表側矯正は唇が閉じにくくなることで口内が乾燥し、細菌が繁殖しやすい環境になることも。
しかし、歯の内側は舌下腺(ぜっかせん)や顎下腺(がっかせん)といった唾液が出る入り口があり、唾液で潤っています。唾液の殺菌作用や洗浄作用を受けやすく、虫歯や歯周病になりにくいでしょう。
ハーフリンガル矯正の3つのメリット
ハーフリンガル矯正のメリットは、次の3つになります。
矯正装置が目立ちにくい
ハーフリンガル矯正は下顎の表側に矯正装置を付けますが、下唇で装置がほとんど隠れるため表側矯正より装置が目立ちにくいのが特徴。ただし、大きく笑ったり「イー」と唇を横に広げたりすると矯正装置が見えるため、注意しましょう。
発音に影響が出にくい
下顎の裏側に装置を付けると舌の動きが制限されて、発音が不明瞭になることも少なくありません。ハーフリンガル矯正では下顎の表側に矯正装置を付けるため、矯正中も普段と変わらずに言葉を発音できます。
裏側矯正より費用を抑えられる
裏側矯正は装置がほとんど目立ちませんが、費用を高額に設定している歯科医院がほとんどです。
高額な治療費が原因で歯列矯正を諦めた方も多いと思いますが、ハーフリンガル矯正は片顎だけ表側に装置を付けることで、裏側矯正より費用を抑えられます。
一般的なハーフリンガル矯正の費用は、下記の通りです。
● 部分矯正:400,000円〜800,000円
● 全体矯正:1,200,000円〜1,500,000円
なお、参考までに当院のハーフリンガル矯正の治療費は1,287,000円(税込)です。
ワイヤー矯正に共通する2つのメリット
矯正装置によって異なるメリットはありますが、ワイヤー矯正で共通する2つのメリットがあります。
ほとんどの症例に対応できる
ワイヤー矯正は小さな動きから大きく移動する動きなど歯の細かい移動ができ、幅広い症例に対応可能。特に、矯正用アンカースクリューと併用して治療することで非抜歯の治療や矯正期間の短縮といった効果を期待できます。
なお、当院でも矯正用アンカースクリューを取り扱っています。矯正用アンカースクリューについて興味のある方はこちらもあわせてご覧ください。
>>>アンカースクリューに関してはこちらをチェック
自己管理が不要
ワイヤー矯正は、患者自身による装置の管理が必要ありません。たとえば、マウスピース型矯正は取り外しができるぶん、自己管理が必須です。
マウスピースの歯並びの段階によって適切なマウスピースを装着できない、装着時間が守れない場合には歯が動かずに治療期間が長引く、歯並びがキレイにならないといったトラブルが起きやすくなります。
いっぽうで、ワイヤー矯正は月に1度の通院時に担当医が調整するため、患者の自己管理が必要ありません。
自己管理が苦手な方や不安のある方は、ワイヤー矯正がおすすめです。
ワイヤー矯正、装置別のデメリット
ここではワイヤー矯正の装置別のデメリットを紹介します。
表側矯正のデメリット
表側矯正のデメリットは次の通りです。
見た目が悪くなりやすい
ワイヤー矯正は、金属の矯正装置を使用することが一般的です。特に、表側矯正は金属の装置を付けると口元が目立ちやすくなります。また矯正治療中は唇が閉じにくく口元に厚みが出るため、歯が前に出ていると感じやすく、口元の見た目に違和感を感じる傾向です。
ただ、近年では装置をプラスチックやセラミックのブラケット、白いワイヤーに変えることで口元を目立たないようにできます。難波矯正歯科にもご用意がございますのでカウンセリングの際にお伝えください。
裏側矯正(舌側矯正)のデメリット
裏側矯正のデメリットは、次の4つです。
滑舌に違和感を与える
歯の内側に装置を付けると、話す時に舌が装置に当たったり舌の動きを制限されたりするため発音が不明瞭になりやすいです。
特に矯正治療を開始直後はスムーズに言葉を発音できずに、舌足らずのような話しかたになりやすいですが、2週間〜1ヶ月ほどで装置が付いている状態に慣れて、普段通りに会話ができる方がほとんどです。
舌に痛みが出る可能性
歯の内側に付いている装置が舌に当たって、痛みを感じることがあります。口内のトラブルは矯正装置の付け始めに多いですが、2週間前後で落ち着くことがほとんどです。
歯科医院によって対応していない
歯科医院によっては、裏側矯正を取り入れていないところも少なくありません。その理由は、主に次のことが関係しています。
● 歯の内側の形に合わせた装置が必要
● 見えにくい歯の内側で正確な調整をする技術が必須
といった上記の他にも、正確な診査・診断ができる高度な機器を完備する必要があります。歯の裏側は表側に比べて矯正装置を付ける部分が限られます。そのため、装置を付ける位置や負荷のかけかたによって最終的な歯並びに影響が出る可能性があるからです。
なお、当院では3DCTや光学3Dカメラ、歯科技工用の3Dプリンター等の機器を導入し、正確性と実現性の高い治療を行っています。当院の裏側矯正の治療内容について詳しく知りたい方は、こちらもあわせてご覧ください。
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治療費が高額になりやすい
表側矯正では、既製品のブラケットやワイヤーを使用することがほとんどです。いっぽうで、裏側矯正は歯の内側の形に合わせて装置をオーダーメイドで作成するため、治療費が高くなる傾向です。裏側矯正の費用は部分矯正で400,000円〜800,000円、全体矯正は1,200,000円〜1,500,000円が相場になります。なお、当院の裏側矯正の費用は1,397,000円(税込)です。治療費を比較する時の参考にしてください。
ハーフリンガル矯正のデメリット
ここでは、ハーフリンガル矯正のデメリットについて解説します。
過蓋咬合の歯並びには対応できない
ハーフリンガル矯正は、過蓋咬合(かがいこうごう)の歯並びに対応できません。過蓋咬合とは噛んだ時に、上の前歯が下の前歯を覆ってほとんど見えない状態のこと。装置が上顎の前歯の裏に当たって破損や外れるといったトラブルが起きやすく、治療が計画通りに進まない可能性があるためです。
ワイヤー矯正に共通する3つのデメリット
ワイヤー矯正で共通する3つのデメリットは次の通りです。
歯磨きが難しい
矯正装置が歯に固定されることで、歯と装置の間に食べかすが溜まりやすく、磨き残しが多くなる傾向です。矯正中の歯磨きは難しく、虫歯や歯周病のリスクが高くなりやすいのがデメリット。
対策としては、プロによる定期的な歯のクリーニングと歯磨きの仕方を学ぶこと。矯正装置を付け初めの頃に歯磨きのやり方を歯科医師や歯科衛生士から教えてもらうことで、矯正中の虫歯や歯周病の予防になり、口内を清潔に保てるようになります。
口内を傷つける可能性
ワイヤー矯正の装置が歯茎や頬の内側の粘膜に当たって、傷や口内炎ができる可能性があります。装置は歯に24時間付いているため、会話や食事の際に粘膜に擦れることがあります。
装置が口内に当たって痛い時は、我慢せずに担当医に相談しましょう。
食べ物が制限される
ワイヤー矯正の治療中は、固い食べ物や粘着性の食品を控える必要があります。これらの食べ物は噛んだ時の衝撃で矯正装置が壊れたり、外れたりする可能性があるためです。
装置にトラブルが起きた場合にはそのままにせず、なるべく早めに歯医者に行きましょう。放置している時間が長いほど、歯が動かず治療が長引く原因になります。
まとめ
ここまで見ていただいてきたように、メリット・デメリットは発生してきます。ですので、難波矯正歯科では患者様1人1人にとっての最適な方法で矯正を進めていけるようにご提案してまいります。なお、当院では裏側矯正を始めとするワイヤー矯正に対応しています。特に裏側矯正専門ですので、隠して矯正をしたいといった方にはおすすめです!
少しでも気になると思っていただけたらぜひカウンセリングでお待ちしております。さらに詳しく期間や適した装置を知りたいといった方には精密検査(有料)を受けて頂くことをおすすめいたします。
皆様のお越しをお待ちしております!
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